チェロに限らず、ヴァイオリン・ヴィオラ奏者は弓の性能にこだわります。
それは弓の性能がそのまま「弾きやすさ」「音の質」「表現力」に直結するから。
初心者レベルでも良い弓と悪い弓を感覚的に見分けられるくらい、弓の性能差は楽器以上にはっきりとしています。
そして良い弓は軽自動車が買えるくらいのプライスタグが下がるのです。
初心者でも20万円くらいの弓だったら検討する機会が訪れるでしょう。
楽器の値段は無関心な人も興味があるようですが、弓はあまり尋ねられることがありません。ですから俺は本体の値段ははぐらかしつつ弓の値段を教えてあげていますが、大抵驚かれます。
一般的に弓なんてチェロのオマケ程度にしか思われていない証拠でもありますね。
意外と思われるかもしれませんが、チェロ弓はヴァイオリン弓よりも若干短めに作られています。チェロ弓が約73cmに対してヴァイオリン弓は75cm。ですが、重量はチェロ弓の方が重いのです。もともと低音域の楽器でしたから、長いパッセージを一弓で弾くことも少なく、低音弦に力をかけやすくするため重たく短い弓になったようです。
チェロが高い理由とおなじですが、やはり人の手で生み出されることに尽きます。
形状がシンプルなので誤魔化しがききませんから、良し悪しも楽器以上に値段に現れてきます。
また、原材料のフェルナンブコ材も良質な材料が手に入りずらくなりました。絶滅危惧種に指定されており、今後ますます手に入りずらくなるでしょう。
現在はカーボンや別種の木材など代替素材の研究も進んでいますが、今の所フェルナンブコ材を超えるものは現れていません。
材料の希少性、製作家の経験値に払う対価、中間マージンと重なり、弓は1本10万円、時には数百万円になるのです。
5万円の木の弓は現在フェルナンブコではなく、ブラジルウッドと総称される代替材が殆どです。性能的には及第点ですが、コシの弱さや剛性が劣るのでいずれ不満が出てきます。
もし、5万円しか弓に予算が出せないなら「カーボン弓」も検討するといいでしょう。
5万円の木の弓に比べて性能も高く、品質が安定しているのでハズレを引く可能性もありません。
ある程度チェロに親しんで自分の好みがわかったら、木の弓にグレードアップしても遅くありません。
チェロ弓は楽器と同様に高価です。しかし、楽器と同じように一生涯の付き合いになるでしょう。
良い弓は上達を早めてくれますので、ここの予算をケチる事のないようにしてください。
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